昆虫の王様で、子どもたちも大好きなカブトムシ!
夏になるとカブトムシを探す子ども達の目はキラキラとしています。子どもと一緒に探しに行くと、大人もつい夢中になってしまいますよね。
そのカブトムシについて子ども新聞に興味深い記事が出ています。
子ども新聞に掲載されていた「目からうろこ」の新情報を書いていきます。
ぜひ最後まで読んでください!
カブトムシが新宿御苑で多数目撃!
東京にある新宿御苑でカブトムシの観察ができると話題になっています。
夏休みということもあって、カブトムシを観察するために来る親子連れが多くいるそうです。
カブトムシが見れるとなると子ども達はワクワクしていたことでしょう。
しかし、少し考えてみてください。
カブトムシを捕まえたことのある人は、木から出る樹液の辺りを探していると思います。
しかし、この樹液は木が外敵から攻撃を受けると出てくるものです。そして、その樹液にカブトムシなどの昆虫が集まってきています。
木への外敵からの攻撃とはなに?
その攻撃の1つとして考えられているのが、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が考えられています。
枯死した木は枝が折れたり倒れたりするほか、感染を広げたりする危険があるために伐採します。
環境省新宿御苑管理事務所の担当者は「木が衰弱するとカシナガが入りやすくなる。環境を健全に保つためには伐採も必要。適時対策を講じて歴史的な木々を守っていきたい」と話しています。
新宿御苑に行くとカブトムシが捕まえられるの?
新宿御苑では動植物を取るのは禁止されています。
取らないようにしてくださいね。
樹液に寄って来るのはカブトムシだけじゃないよね。
そうですね。
樹液には、ほかの昆虫も寄ってきます。その中でもスズメバチのは注意してくださいね。
カブトムシが産業廃棄物を食べる?
カブトムシが産業廃棄物を食べるってどういうこと!と驚きますよね。
ここでの産業廃棄物は有機廃棄物のことです。
子ども新聞には、この有機廃棄物を集めて、カブトムシが食べられるように加工し、ゴミを資源に変えている会社のことが載っています。
有機廃棄物を集めて、カブトムシが食べられるように加工する技術
有機廃棄物を加工することでカブトムシが食べられるようになります。
簡単に言うと上記のようなことができる技術です。
これを行っている会社は(株)TOMUSHIです。秋田県に会社があります。
この会社ではカブトムシを6万匹も育て、そのカブトムシが年間1200トンもの有機廃棄物を処理しています。
とても素晴らしいことです!
カブトムシってなんでも食べられるの?
カブトムシが食べられるように有機廃棄物を分解させているようです。
カブトムシの成長速度が速い?
(株)TOMUSHIのカブトムシの成長速度は3~4ヶ月です。
普通の日本産のカブトムシの3~4倍速くなっています。
この3~4ヶ月で成長とはどういうことでしょうか?
3~4ヶ月で成長するように品種改良をしました。
普通のカブトムシは1年をかけて成虫になります。
しかし、(株)TOMUSHIの育てているカブトムシは3か月~4か月で成虫になるそうです。
品種改良をして、成長が3~4倍速くなりました。
しかも、この品種改良は人工的(遺伝子組み換え)な改良ではないのです。
天然のカブトムシを掛け合わせていくことで目的としている特徴を持つ個体を生み出します。
この方法は「累代」と呼ばれています。
何度も掛け合わせることは地道な大変な作業です。
しかし、この方法で(株)TOMUSHIは成長の早いカブトムシを作り出しました。
カブトムシの中には成長の早い種類もあるんだね。
そうですね。
寒い地方にはそういう個体がいるようです。
累代ってどういう風に掛け合わせているの?
同じ種類のカブトムシから子どもを作り、
次はその子ども同士を掛け合わせていきます。
日本のカブトムシの寿命は成虫になってから2~3ヶ月。
成虫になってからの時間が少ない中、時間がかかり地道で大変な作業をあきらめず結果を出したのはとても凄いことです。
なぜカブトムシに目を付けたの?
(株)TOMUSHIの代表の石田陽佑さんは、好きなことを仕事にしようと考えました。
カブトムシが大好きで、世界の人々にカブトムシのすばらしさを知ってもらいたいという思いも。
会社の名前も「カブトムシ」にするほど大好きなのでしょう。
会社の名前をカブトムシにするくらい大好きなんだ。
そうですね。カブトムシを好きな日本人は多いと思います。しかし、会社の名前をカブトムシにするほど好きな人は少ないでしょうね。
カブトムシを仕事にしようとしたきっかけは?
夜中に仕事をしていた時、急に気分転換がしたくなり、「虫取りしよう」と考えたことがきっかけです。
1週間ほど昆虫採集をしていましたが、カブトムシは取れず、オークションで憧れていたヘラクレスオオカブトを手に入れます。
日本産カブトムシの品種改良したの?
(株)TOMUSHIは日本産のカブトムシを品種改良しています。
なぜ、海外の珍しいカブトムシが日本産なのでしょうか?
ワシントン条約が締結する前に、カブトムシ大好きな人々によって日本国内に持ち込まれ、飼育されました。
日本には昔からカブトムシが大好きな人たちが多くいます。
その人たちのおかげで、海外の珍しいカブトムシが日本で生まれ育っています。
そして、多様なカブトムシが日本で育っているからこそ品種改良が実現しました。
・ワシントン条約が結ばれる前に海外の珍しいカブトムシを国内に持ち込む。 ・多様なカブトムシが日本にいるからこそ累代という品種改良が実現。
(株)TOMUSHIは何から始めたの?
購入したヘラクレスオオカブトの番(つがい)からできた個体を販売することから始まりました。
販売を始めてからほかの種類のカブトムシを購入し、種類を増やしています。
品種改良をしたのはそのあとのようです。
(株)TOMUSHIではこの方法を使って改良しています。
成長スピードの速いカブトムシはこの方法で生み出されました。
こういう風に何代も掛け合わせる方法は、とても時間がかかり、根気がいる作業です。
カブトムシのオスとメスを同じ虫かごに入れていても卵ができないときもあるのに、話だけ聞くと簡単そう。
簡単そうに見えても簡単ではないと思いますよ。
試行錯誤をたくさん繰り返していると思います。
育ったカブトムシの成虫や幼虫はどうなるの?
(株)TOMUSHIの有機廃棄物を餌に育ったカブトムシはペットとして販売したり、ふるさと納税(秋田県大館市)の返礼品として提供しています。
また、子ども達に向けてカブトムシを放し飼いにしてイベントをしたりしています。
カブトムシの放し飼いのイベントは子ども達にはうれしいイベントですね。
たくさんの子ども達が目をキラキラさせながらカブトムシを見ていたことでしょうね。
その他、今(株)TOMUSHIは「昆虫食」の研究もしています。
カブトムシの幼虫や成虫を乾燥させて粉にすると、たんぱく質がとれるそうです。
そして、将来的には飼料、肥料、サプリメント、化粧品などの分野も視野に入れているようです。
石田さんはカブトムシを食べたのかな?
食べたみたいですね。
でも、最初は食べていいのか迷ったようです。
昆虫食は昔からあったが・・・
はじめて食べるのが大人になってからだと勇気がいる。
カブトムシのフンを肥料に変換?
カブトムシの幼虫の糞は「窒素」が多く入っています。そのため、この幼虫の糞はよい肥料になります。
ただ、カブトムシの幼虫の糞が肥料になるのならそのまま使ってもいいのかと考えますが、糞をそのまま使っても肥料としての効果はあまりないようです。
上記のような意見もネット上では見られます。
カブトムシの幼虫の糞には、廃棄物の炭素を減らし窒素を増やすという特性があると分かってきました。
土壌改善効果や脱炭素効果が期待されています。
炭素を減らす有機肥料としての開発を進めています。
(株)TOMUSHIでは、この幼虫の糞を使って有機肥料を作り、その肥料を使った野菜を考えています。
将来、カブトムシの有機肥料を使った野菜が買えるかもしれませんね。
カブトムシの幼虫の糞で肥料ができるなんて初めて知ったわ。
そうですね。研究を重ねてくれる人がいるからいろいろな発見があります。
調べていくと、いろいろな人が身近な生活の中で活用していますね。
カブトムシが処理する廃棄物の量は?
カブトムシが1年で処理できる廃棄物の量は、60000匹のカブトムシで1200トン。
カブトムシを累代で品種改良をする時に、成長が早いことと餌をたくさん食べることも考えて改良を加えていったそうです。
カブトムシの施設が増えるともっと多くの有機廃棄物がカブトムシの餌になることでしょう。
・1200トンの廃棄物が60000匹のカブトムシの餌になる。 ・成長が早く、餌を多く食べるように品種改良。
日本の年間のゴミの量はどのくらいなのでしょうか?
日本では、年間で4034万トン(令和4年度の量 2024年3月28日環境省発表)の家庭ごみなどの一般廃棄物が出ています。
ゴミの量 | 経費 | |
令和3年度 | 4095万トン | 2兆1449億円 |
令和4年度 | 4034万トン | 2兆1519億円 |
前年度の差 | -61万トン(-1.5%) | +70億円 |
※環境省発表より抜粋
ゴミの量は1.5%減っていますが、ごみ処理にかかる経費は70億円増えています。
このままだと、経費がどんどんと増えていくような気がします。
生ごみを出さないようにしないといけないわね。
そうですね。
食品ロスが少なくなればゴミの量が減っていきます。
好き嫌いをなくして残さないように気を付けます。
(株)TOMUSHIのプラントってどんなことしてるの?
(株)TOMUSHIは「有機産業廃棄物(動・植物に由来するゴミ)を餌とするカブトムシの飼育事業」をフランチャイズ化しています。
どんどん広がると嬉しいですね。
もっと多くの都道府県でこういうプラントができるといいと思うな。
たくさんのカブトムシを見てみたい。
そうですね。
興味を持ったらいろいろと調べてみるといいかもしれませんね。
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